矢の役割

 今日は、大学院生だったころの同級生のお宅にお世話になって矢のテストをさせて頂きました。木工作家さんの工房です。今年の冬に向けて、空き時間を利用して薪を作っているとの事でした。木を入手するのも、使いやすい薪の大きさにするのも結構大変な手間です。しかし、斧等で薪割りをする事は、「楽しい作業」だと思います。集中して体と道具を使う。少し野生に返るような感じがします。
 今回は、前回のテスト後にひらめいて、新たに刃幅の広めの物を用意して臨みました。しかし、思った程の効果の差はありませんでした。叩く側の堅さはほぼ正解が導き出せたかなという感触でした。塑性変形しづらく、割れも無いです。

 そんな事よりも、今回は、「斧の力強さ」と「斧で薪をスカッと割る事の気持ちよさ」が発見でした。しかし、斧ではどうにも割れてくれない部分(いくつかの又に分かれている等)は矢があると作業がはかどりました。
 今までは、「VS斧」という意識で矢を作っていました。斧が無くても矢だけで薪を作れる性能をめざしていました。下手にハードルを上げているような感じでした。しかし、1㌔ちょいのハンマーだと割る力が小さいので、なかなか矢だけでは数がこなせません。かといって両手で振るハンマーで矢を叩くとなると矢の位置や進行方向を修正するたびに体のポジションを改めないといけませんから余計に手間です。自分の体験の他にも、同級生のお父さん、そしてお兄さんがお仕事の合間に見に来てくださり、日々薪割りをされている上で感じる色んなアドバイスも下さって参考になりました。

 矢という道具は、斧のサブとして利用してこそだと実感しました。矢の役割は、斧で割れない所だけをピンポイントで崩していく事です。

 やはり、①割りやすい木目の素直な丸太は斧でばんばん先に割って行って、②どうにもややこしい部分を斧で何発かぶん殴ってひびを入れ③できたヒビをたよりに矢を打ち込んで割って行く

この順序の作業が一番です。且つ楽しい!
 初めから矢だけというのは精神的・肉体的にきつい物があります。また、上記のやり方であれば、斧を振り下ろして亀裂をピンポイントに狙うよりも簡単です。矢を直接亀裂に当てて金槌で叩く事で、簡単にその亀裂を広げて割る事が出来ます。

 良い勉強になりました。斧はヒツ穴を開けるのが難しくて作れていないのですが、良さげな中古品をリペアしてMy斧を用意し、矢のセットで実験を進めて行った方が実際にお客さんの利用するシーンにあっているだろうと思いました。

 作業後、広島の市街地へでかけて大学の学部時代の同級生が賞をもらったという漆芸展へ行ってみました。こちらは矢の実験で得るような即効性のある目先の収穫ではなく、「こういう世界もいいな」「一切妥協無しって感じですごいな」「どんだけ細かいねん」という普段得られない刺激を貰えました。