鉄:皿

使ってなんぼの道具も面白いですが、見て楽しむ道具も良いですね。

 

鉄の場合は、色んな形で身近に存在していますが、いわゆる「機能の形」をしています。必要な強度を発揮する形、硬さ、物を切るには鋭利な形など・・・。鉄は基本的な形が無いものなのかもしれませんが色んな状況で垣間見える「鉄そのもの」っぽいなと思える表情や形はあります。良い悪いは別として、「すぐ錆びてぼろぼろになる」というのも鉄らしい事だと思います。そんな表情や形態を作品に取り入れて、日常生活の中でも「鉄」という素材を表したいという事を思っています。

毎日の作業時に、日常生活の中ではまずみる事が出来ない鉄の表情を目にしています。例えば鉄が粘土のように可塑性を持つ時は何百度の高温です。日常生活の中でその眩しい姿を拝む事は出来ませんが、それは私の中では間違いなく鉄の魅力的な表情の一つと言えます。それらの息をのむ美しさを日常に引っ張って来れないかなと思います。そういう思いで、幾つかのオブジェを今まで作って来ました。

画像は皿です。自分の感覚で「これでしょ!」と思う鉄の質感を出しています。その質感が出るまでは作業を粘りますが、余り手を加え続けると、例えば「皿」などのような「形」が先に主張し出すと思います。今回は皿になりましたが、私は本当は、皿と鉄の中間みたいな所を狙っているのだと思います。

 

毎日寒い日が続いていますが、今日は非常に寒く疲れました。火を使い鉄を叩く行程だったのでどうにかしのげました。高校生くらいから大学院生時代までしもやけとは無縁でしたが、鍛冶屋を始めてからは足にしもやけが出来るようになりました。この冬は特にひどいです。