野鍛冶とは?

 

基本的には鉄や鋼を加熱して柔らかい状態にしておいて鍛造して加工するのが鍛冶仕事です。

今のところ私が思う「野鍛冶とは何か」をかなりざっくり言ってしまうと、〇〇専門の鍛冶屋さんに対して、ストライクゾーンが広い鍛冶屋さんを野鍛冶と呼んでいいのではないかと今は考えている。

日本刀を作るのは刀鍛冶(※現代の刀鍛冶=刀匠さんは普段は包丁などを作って生計を立てつつ年に何本か日本刀を作刀するという方も多いらしい)というように、専門的に作っているものに焦点を当てると〇〇鍛冶と呼ばれることになるのだと思う。(例:包丁鍛冶、鉋鍛冶・・・など)

 

 

しかし本来、野鍛冶とは、かつては農作業のメインツールであった鍬や鋤などの道具を主に製作して生計を立ててきた鍛冶屋(農鍛冶)のことだという。それらの中でも、農機具の他にもその鍛冶屋の周りの多種多様な鉄の需要も大切にするスタイルの鍛冶屋が最近まで野鍛冶として認知され生きながらえて来た。産地化や分業化によって包丁だけ作っているとかノミだけ作っているとかいうスタイルではなく、得意な製品はあるものの所在地域内の様々な依頼に鍛造や熱処理技術を駆使して可能な限り広範囲に答えていくことで鍛冶屋らしい仕事内容を維持してきたのが今でいう野鍛冶なのではないかなと思う。したがって、野鍛冶一軒一軒比較すると、作るもののジャンルも地域の特徴を反映したものになるだろう。また、道具一つ一つの形や大きさもその地域や顧客の要望により異なったものを制作しているはず。

要するに、作っている物の種類での分類ではなく、専門性へのスタンスの違いなのではないかと思う。

 

自分でもこれから作るものは何になるか予想もできない。作りたいものの需要を開拓するか、需要のあるものの中に可能性を見出すか。

かつて農機具の機械化や鉄筋構造物の需要の増大を受けて、鉄を扱って来た鍛冶屋の多くが熱間鍛造から離れて溶接などがメインの鉄工所的あり方にシフトしていったように、今鍛造をしている鍛冶屋(野鍛冶も含む)も時代の変化に対応してこれから従来の仕事とは違う内容の仕事をするようになると思う。

 

当工房は、手で扱う道具類や小さめのインテリアなどを中心に技術の及ぶ範囲で色々と制作しております。